日別アーカイブ: 2008年7月3日

地方の時代の『福祉』水準(第215回)

視覚障害者の団体のA氏に指摘されてはじめて分かったことがある。
それは、自立支援法に基づく視覚障害者に対する移動サービスの『量』が自治体によってばらばらだということである。
そこで、公明党千葉県本部の同僚議員にお願いして早速調べてもらった。
いま私の手元にあるのは、県内16市のデータであるが、これによると『身体介護を伴わない通院介助サービス』で量的制限を設けていないのは10市。
制限を設けているのが6市ある。この6市はすべて弾力的に運用する、ないしは受給者の相談に応じる、ないしは介護度を考慮するとしている。
松戸市 は1ヶ月15時間までの制限であるが、週5日間利用したとしても一日3時間、これならそもそも上限なしとしてしまった方が良いような気がする。
また、白井市 は一回1時間半という制限があるが、こういう決め方は他にはない。
一方、『地域生活支援事業での移動支援事業』については、上限なしが8市に減る。
制限を設けている残り8市はいずれも弾力的運用をするとしているが、ここでは上限時間を列記してみよう。
年間600時間という決め方をしているのが、船橋市浦安市 。これは一応、月に均すと50時間ということになる。
月に50時間としているのが、市川市八千代市
柏市 は月に120時間と多く、逆に少ないのが松戸市東金市 の30時間である。
以上、障害者の自立支援という同じ目的にたちながら、県内各市のサービス量の違いは意外に大きなものであった。
これらのデータをもとに自分たちの市の福祉の水準をどうすべきか同僚議員たちが各市へ働きかけることになる。
それにしても地方の時代の福祉の様相が垣間見えたような気がする。
つまり同質社会であるわが国においては、おそらく今後もどの市町村の公共サービスのメニュー自体にそれほど差はないに違いない。ところが、そのサービス量については財政力や需要状況によって相当の差が出るというわけである。