夕張市の新たな挑戦

3月8日の日経新聞は、10年ぶりに総務相が夕張市の新規事業を認めることを報じています。
財政破綻した夕張市は、徹底した歳出削減と市民税や公共料金を引き上げなどを強いられてきました。
ところが、そうした夕張市再生計画が、結果として人口流出を加速し、地域の存続の危機を招いたということのようです。
そこで、国が特別交付税を出すなどして、子育て支援などを行うことを決めたという記事でした。
夕張市の財政破綻は、観光開発に巨額投資をして失敗したことが原因ですが、その淵源は人口減少につきます。
夕張ほどの急激な人口減が起これば、首長が起死回生の手を打とうとすることも理解できなくもありません。
本来なら投資資金を貸付けた金融機関にも破綻の責任があるはずですが、債権放棄を迫られれば今後一部自治体への貸付を躊躇するかもしれません。
見方によれば、夕張市は全国自治体の円滑な資金調達のために犠牲になったとも言えます。
さて、夕張市は今後10年間で113億円の新規事業を行うとのことです。その内容は市営住宅や市立診療所への投資、2子以降の保育料軽減や中学生までの医療費助成など、新規事業と言ってもそれほど目新しいものはありません。私には、これで夕張に人が集まるとは思えないのです。
本当に夕張市に人を呼び込もうというのなら、全国自治体の施策を超えた内容でなければなりませんが、果たして総務相はそこまで考えているでしょうか。
中途半端な施策でお茶を濁そうと言うのであれば、私は特別交付税を出す意味がないのではないかと思うのです。


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