「小選挙区制」誤った多数決原則(第156回)

二大政党が政治の流れと言う話はほとんどマユツバである。
小選挙区制が結果として二大政党化を促すのであって、単に選挙制度の採用の問題に過ぎない。
政党についての議論は、どうしても民主主義国家に限ったものになるため、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツなど日本に馴染みのある国がモデルになりがちである。
しかし、たとえばスペインなどは小選挙区制ではなく比例代表制であるし、スウェーデンはじめ北欧各国はみな比例代表制を取っており、多党化が進んでいる。
つまり、「二大政党制」はもちろんのこと、「小選挙区制」にしても世界が支持しているわけではない。そんな政治体制・選挙制度が政治の流れであろうはずがない。
これは素朴に考えればわかることで、これだけ多様化した価値観を有する人類を、こと政治の分野に限って二つの政党に収斂させようと言うのがどだい無理な話なのである。
無理なことを続ければストレスが溜まる。
小選挙区制の一番のデメリットは死票を増やす選挙制度であることだ。言い換えればもっとも民意を反映しない制度である。はたしてそんな制度が良いのかどうか?
私は、昨今頻繁に言われている「負け組・勝ち組」や「格差」と言う問題が、二大政党制に密接にかかわっている疑いを持っている。
二大政党制がそれだけ国民の意見をきめ細かく吸収できなくなっているのではないかと思うのである。
「格差是正」が国民の意志表示であるならば、「こっち」か「あっち」かと言う単純な二者選択ではなく、多様な意見を集約する北欧モデルに選挙制度を変えるべきなのではないだろうか。
二大政党制は、本来「政策」や「判断」に求めるべき多数決の原則を、悪ノリして本来二者択一ではないはずの選挙制度にまで持ち込んでしまったように感じるのは私だけだろうか?


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