昨日の千葉県議会一般質問での自民党・瀧田議員VS堂本知事は完全に瀧田議員に軍配が上った。
知事は、答弁の最初に瀧田議員の御母堂の御逝去のときの様子から話を始め、議場の雰囲気を一気に落ち着かせるなどまさに老練。
しかし、その後の答弁は論理が完全に破綻し大儀のなさが露呈してしまっていた。
論理が破綻してしまっていることを知事自身が自覚しているから情に訴えた、その手段として議員の御母堂の話を出した、そんな舞台裏が見えてしまった気がしたのである。
いすみ鉄道再生会議は経営再建のために社長を民間から公募しようと決めた。
知事は、その就任した民間社長を県知事選に担ぎ出し社長不在としてしまった。
そして民間公募社長の後任は副知事だという。
これではまるで県の私物化そのものではないか。
しかもその副知事は総務省からたまたま出向している国家公務員で、さらにその人も3月末日までで4月からは誰かに代わるというのである。
読売新聞は『知事の道義的責任が問われそうだ』と書いた。
さらに、いすみ鉄道取締役で同再生会議のメンバーである藤平輝夫勝浦市長は「公募で社長を選んでおきながら、引き抜いた知事や県が、本気で鉄道再建を考えているとは思えない」と憤りをあらわにし、同じく取締役で再生会議メンバーの田島隆威大多喜町長は「地域や会社にもっと責任を持ってほしい」と不快感を示したと伝えている。
いすみ鉄道再生会議は平成17年8月に設立された。
その後、平成19年10月29日の最終報告発表までに地域住民の意識調査、住民との意見交換、シンポジウムなどを開催し、30回以上の会議を重ねながらいすみ鉄道の経営再建の道を模索してきた。
最終報告の「経営改善の取組み」「地域による支援」「自治体の取組み」を見れば、活性化への具体的取り組みはほぼ出来上がっている。
いすみ鉄道再生への取り組みのホシは、そうした手法ではなくまさに『民間社長の公募』の一点であったといってよい。
だからこそ私自身、新社長就任間もない昨年4月28日に、いすみ鉄道本社を訪ね「何かお手伝いできることがあれば遠慮なく申し付けてほしい」と申し上げた。
それはこの経営危機の大変な地方鉄道へ社長公募に応募してきた民間社長だからこそ何とか協力したいと思ったからであった。
当時、民主党の議員も「民間の新しい発想や柔軟さ、経営に対するセンスは、やはり公のそれより勝っている(趣意)」「社長公募という試みが、大変な価値がある(趣意)」と絶賛して、東葉高速鉄道も民間からトップを起用せよ、とまで訴えていた。
その同じ党が、予算案を反対するほど対立していた知事の担ぎ出した人を一緒に応援しようと言い、公募民間社長を無くしてしまおうとしているのだからまるでご都合主義である。
道義の上でも論理の上でもまるで大儀のない手法としか言いようがない。
言っていることとやっていることがまるで正反対の政治家に対して、われわれは厳しく監視していきたい。
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