市民に愛されない警察には

わが家の近所に不思議と事故の多い交差点があった。
事故原因そのものは明らかだった。
自分の走っている道路が優先道路では無いにもかかわらず優先道路だと錯覚して交差点に進入してしまうのである。
事故原因は明らかなのだが、自分の前を横切る優先道路の幅員の方が何故狭く見えてしまうのかという点が不思議だった。
道路の両サイドの建物の配置なのか交差点のそれぞれの角の建物の配置なのか交差点の広さなのか、何が目の錯覚を生じさせるのか。
そこが不思議だった。
やがて信号機が設置され、この交差点の事故は大幅に減少した。
このように自分の走っている道路が優先道路ではないのに優先道路であるかのような錯覚を生じさせる道路、交差点、T字路はいくつもある。
優先道路を走っていてしばらくしてから左折する。
その左折した道がさらに幅員の広い道であるケースなども錯覚をまねき安い。
これまで走っていた優先道路が優先道路でなくなるというのはイレギュラーであり、通常の人間の通常の感覚ではかえって不自然に感じてしまうのだ。
そして、そういうポイントに交通警察官は狙いすましたように待ち構えていて「はい。一時停止義務違反です。」と罰金を取り立てる。
これでは愛される警察などありえない。
人間の錯覚を利用した違反者増産をしているだけである。
本当に危険だから取り締まっているのなら、信号機を設置して錯覚が生じたとしても事故が起こらないような措置をすべきなのは言うまでも無い。
取り締まる方も本当のところ後ろめたい気持ちで検挙するのだろうが、一番不幸なのはその道をもっとも利用し常に危険にさらされている近隣住民だ。
事故を防ぐという本来の目的に立ち返らない限り、市民と警察との協力関係の構築はいつまでたっても難しい。


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