北総鉄道の建設にあたって、松戸市が負担金を求められたのは何年前のことだったろうか?
数億円の規模だというので、公明党松戸市議団の会派内での議論では、私は「本当におカネを出せば特急が止まるのか?」という反対の論陣を張った。
もちろん、誰かが反対しなければ議論が深まらないので反対したのであって、本音で言えば「賛成の気持ち80%、反対の気持ち20%」というところであった。
最終的には、多数派である賛成側の先輩に説得されて、会派としては賛成で行こうとなった。
今はもう当時の先輩で現職の方はお一人になってしまった。
さて、今朝の日経新聞に『千葉・白井市 議会軽視と批判も』というコラムが掲載された。
これは、北総鉄道の運賃値下げをすべく昨年11月に千葉県と沿線自治体で3億円の負担をする取り決めをしたことが発端となっている。
白井市を除く7市村は予算案が可決されたのだが、白井市だけは1票差で支出を否決してしまったのである。
否決したのが一番値下げの恩恵を受ける白井市であったことから本当なら支出したくない他の自治体はあきれ返ったという顛末もある。
ただ、白井市の否決は1票差であり、採決に加われない議長は賛成なので議長の票が入れば賛否同数となる。
そこで、今度は議長が議長席を降りて賛成討論をした。
議会規則では、議長が賛成討論をした場合は議長席に戻れないという規定があり、議長席にいない議長は採決に加われる。
そこで反対派の副議長が議長席につかねばならないのだが、自分が議長席についてしまうと採決に加われず、今度は予算案が採択されてしまう。
結果として、誰も議長席につくことなく流会となった。
市長は、議会が議決しなかったことから自分で支出することを決定した。
こういう流れになっている。
仮に、反対派が多数であれば記事のように『議会軽視と批判も』ということになるだろうが、賛否同数なのだから議会軽視には当たらないだろう。
むしろ市長の立場に立ってみれば専決処分は当然の行為だ。
なぜなら、このまま何もせず宙ぶらりんで行けば間違いなく北総鉄道は値上げになる。
値上げになれば一番困るのは白井市民である。
いま沿線自治体と千葉県がそろって負担金を出そうと言ってくれているのだから、このスキームを壊すのは愚かなことだ。
したがって白井市としては正しい判断だと思う。
また、松戸市民の中にも通勤通学に利用している人もいる。
そうした人にとって、北総鉄道のあまりに高い運賃は我慢ならない問題だ。
やはり白井市長の専決処分は正しかったと私は思うのである。
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