ムラピ山の噴火(第438回)

もうこのホームページで3、4回は書いているが、火山は本当に怖い。
地震は年単位で続くことはまずないが、火山はいつ終わるかの予測がつかない。
三宅島の状況を見ればわかるように、1年、2年という年単位で見ておかねばならず、尊い人命は当然として経済的損失も計り知れない。
国が滅ぶ可能性も否定できない所以である。
インドネシアのジャワ島中部のムラピ山が噴火したのは10月26日のことだ。
約2週間たったが、すでに117人の方が亡くなり29万人が避難している。
古都ジョクジャカルタでも火砕流が襲うのではとの不安が広がっているという。
ユーチューブの映像を見ると山頂から火砕流が流れ落ちてくる様子が見える。
また、麓の家畜の死骸などを見ると火砕サージにやられているように見える。
火砕サージは火砕流に比べてそれほど火山灰の含まれていない比較的低密度の流れである。
だからと言って被害が軽くなるものでもない。
有名なイタリアの古代都市ポンペイは300度の火砕サージに滅ぼされたとされている。
ナショナルグラフィックニュースによればポンペイのケースは10キロ離れたベスビオ山から計6回の火砕サージが襲ったのだという。
現在、世界で16の火山が「国際火山学および地球内部化学協会(IAVCEI)」によって特定火山と位置付けられている。
16の火山のうち日本周辺にあるものがムラピ山を含め6座。そのうち日本には2座ある。
鹿児島県の桜島と長崎県の雲仙である。
一つの国で重要火山が二つもあるのは日本とイタリアとアメリカだけである。
われわれ日本人は火山に対する警戒心を忘れてはならないだろう。 ※11月10日の毎日新聞によれば、死者が151人に上り、避難民は約32万人に増加したという。

●特定16火山
コリャークスキロシア・カムチャッカ半島
コリマメキシコ・コリマ州
エトナ火山イタリア・シチリア州
ガレラスコロンビア・アナリーニョ州
マウナロアアメリカ・ハワイ州
メラピ山インドネシア・中央ジャワ州
ニーラゴンゴ山コンゴ・ルアンダ国境
レーニア山アメリカ・ワシントン州
桜島日本国・鹿児島県
サンタマリア山グアテマラ・ケツアルテナンゴ州
サントリニギリシャ・キクラデス州
タール山フィリピン・ルソン島
テイデ山スペイン領・カナリー諸島州
ウラウン
パプアニューギニア・ニューブリテン島
雲仙日本国・長崎県
ベスビオイタリア・ナポリ州


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