どこにも行かない夏休み

子どもの頃、夏休みといってもどこにも行きませんでしたし、もちろん親もどこにも連れて行ってくれませんでした。
そもそも家族旅行というものがあり得ない、考えられない時代(?)であり社会状況だったように思います。
近所の遊び仲間が、「どこそこの親戚のうちへ行く」というと、仲間がいなくなるさびしさや遊べない退屈さは嫌でしたが、うらやましいという感情はありませんでした。
夏の海水浴へ行く子どもは結構いましたが、冬のスキーに行く子どもはごくごく少数派で、年間通してどこにも行かない私のような子どももさほど少なくなかったのだと思います。
そうであったからこそ、中学に上がると私は全国一人旅に飛び出しました。鉄道駅の軒先やバスの待合室で寝たり休ませてもらいながら貧乏旅行をするのです。
中学2年の夏は、佐渡へ渡り、新潟から妙高高原を回り信州へ入り、最後だけは軽井沢のユースホステルでゆっくり寝不足を解消して帰宅しました。
その間、佐渡汽船で初めての船酔いを経験したり、豪雨で靴の中までぐしょ濡れになって震えたり、いろいろなトラブルがあり、やはり一人旅の拓大空手部の学生に救ってもらったり、金町の女子大生の二人旅と知りあって旅先の情報交換をしたり、いろいろな経験ができたものです。
中学3年からは山登りにはまってしまいましたので、人と交流するよりも常に孤独に耐える方向へ進んでしまいましたが・・・
さて、それに対して今の子どもたちは家族旅行は当たり前?でしょうし、夏休みはどこかへ連れて行ってもらえることと思います。
そのせいか、我が家の子どもたちを見ても破天荒な冒険心が失せているように思います。
親として、やはり心配するという過保護的な心情はあるのですが、それでももう少し『ワイルド』に生きてもいいような気がします。