予防社会、予防時代

世は、間違いなく『予防』の時代であり、目指すべきは『予防社会』のように思います。
医療の分野で『予防医学』が言われ始めたのは、もう相当古くからですし、介護の分野でも『予防介護』、そして災害対策の分野においても『減災』ということが盛んに言われ始めています。
7月24日に切り抜いた新聞記事に『震源遠くても子の心に傷』(日経新聞)というものがありました。
記事によれば、『2008年の中国・四川大地震では震源から遠く被害が比較的小さかった地域でも、専門家による精神的な支援がほとんど受けられなかった農村では多くの子どもが長期にわたり心的外傷後ストレス(PTSD)に悩まされていた』とのことです。
そこで、こうしたストレスなど精神的な分野にも『予防』という対処ができないかということを考えなければと思うのです。
名古屋大学減災連携研究センターで、まさにこの分野に取り組んでいる窪田先生のお話を伺いました。
お話を伺いながら、防災教育に取り入れていく重要性は当然として、それのみならず自分の精神状態をコントロールするということは日常的なあらゆる面において大事なことだとあらためて痛感しました。
中学3年の時に、一人で北関東の山に登っていて台風接近と遭遇し、岩壁の途中で立ち往生してしまったことがあります。
天候は悪化してくる。霧がどんどん深くなり、風も強くなってくる。もちろん人っ子一人いない岩場の真ん中でパニックに陥りそうになりました。
そうならないように意識しながら、緩んでもいない靴ひもをゆっくりゆっくり時間をかけて結びなおしたことを思い出しました。
20歳になってから同じような窮地に追い込まれたときは、タバコなどを吸ったりしました。
そのような心理的な(タバコを使わない)自己コントロールの訓練はやはり大事だし、十分『予防』足り得ると思いました。
研究は途上でしょうが、被災者への心理的なケア不足が深刻な影響を与えないようにこの分野の研究がますます進むことを願ってやみません。


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