国立感染症研究所は、インフルエンザ流行レベルマップの2009年第49週(11月30日?12月6日)について次のコメントを書いた。
『・・・(患者報告数153131)となり、前週よりも大きく減少した。(中略)第28週以降これまでの累積の推計患者数(暫定値)は約1414万人(95%信頼区間:1396万人?1432万人)である。・・・』
これまでにわが国は約1400万人の新型インフルエンザ患者を出したものの第49週に入って大きく患者数が減ったという。
はたしてこれを第一波と見てよいのだろうか?
7ヶ月前の5月18日の記者会見で舛添厚生労働相は「政府の専門家諮問委員会から新型インフルエンザは季節性と大きく変わらない」との報告を受けたと述べた。
この『季節性インフルエンザと変らない』という発言の受け止め方は三者三様だろう。
一般に、季節性インフルエンザはそれほど重大な病気とは受け止められていない。
場合によっては会社に行こうかというのが最近までの一般的な受け止め方であったのではないか?
舛添大臣は、病原性が弱くタミフルも効くという意味で使ったとしても、やはり「新型」イコール「季節性」という表現は慎重に使うべきであろう。
そして、季節性インフルエンザの場合はその死亡例の多くは高齢者である。
つまり、実はもっとも高齢化が進んでいる日本のような国ほど季節性インフルエンザが猛威を振るいやすいと見なければならない。
したがって、舛添発言は重大な内容だったわけだが、国民全般はまるで逆に理解した。
「ほっとした」「安心した」これが率直な受け止め方だったように思われる。
大臣が何を言おうと、専門家がどう言おうと、新型インフルエンザは、そのような安心できるタイプのウイルスではない。常にそう思っておくことが大事である。
なぜなら、インフルエンザ・ウイルスについて人類はほとんど何も知らないのだ。
さすがに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)ほどではないにせよ、季節性よりははるかに危険なことは死亡者数がそれを示している。
そして、今回が仮に第一波の終焉だとすると、それ以上の第二波が今後来ることになる。
あと2年ほどは気を緩めず、覚悟を決めておかねばならない。
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