政権交代時にわかる政治家の真価(第333回)

日本は民主主義国家なのであるから、選挙による政権交代は当然ありうる。
言い方をかえれば未来永劫に続く政権などありえないと言うことである。
平和的に政権が交代するとなれば、政権交代の際にどうスムーズに交代するかということを考えねばならない。
私が宮沢元総理にシンパシーを感じているのは、細川内閣への政権交代の際に実に紳士的に引継ぎを行ったからである。
「分らないことがあれば、何でも聞いてください。」さらにそうも言った。
これが民主主義国家の政権交代の姿であろう。それに比べて、麻生内閣では官房機密費をすっからかんにして去ったと言う。
我ら日本人の「立つ鳥跡を濁さず」という感覚とは相容れないものがある。
官房機密費は毎年15億円ほどあるが、ほぼすべて使い切られている。
本年9月17日の記者会見で、民主党の平野官房長官は官房機密費について問われ、
「そんなものがあるのですか。まったく承知していない。承知していないからコメントできない。」と発言した。
しかし、実際にはその直後に1億2000万円ちゃっかり使っていたことが判明している。
平然と嘘をつく。嘘をついてもなんとも思わない体質なのであろう。
2001年に政調会長だった岡田克也氏は
「官房長官が自分の判断で使用できる金額の内容を開示せず、不明瞭な状態を保っていることは極めて不十分であり、非常に不満に思う」
と述べた。そして、機密費流用防止法案を国会に提出したのである。
残念ながら、もうそんな考え方は、政権党となった現在の民主党のどこを捜しても見つからない。
官房機密費の金庫を空にした麻生政権も、官房機密費の存在をとぼける鳩山政権も、やはり同じ穴に住んでいるのだろうか。


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