天候がおかしい

茨城、栃木などで竜巻による大きな被害がありました。
理屈の上では、上空の冷たい空気と地上近くの暖かい空気との間で急激な上昇気流が発生し・・・ということになります。
こうした局地的な大気の不安定さもさることながら、私たちが防災上もっとも注意している台風についても同様のことが言われています。
たとえば地球温暖化のせいなのか、最近は上空の空気も暖められて赤道付近では台風が発生しにくく、その一方で日本近海で上層と下層の空気の温度差から低気圧が発達する傾向があるといった話です。
いずれにせよ、私たちは防災と言う観点から気象にも注意を怠ってはいけないと戒めております。
さて、ゴールデンウィークを中心に、山岳遭難が相次ぎました。
北アルプスでは白馬岳や穂高で幾人もの方が亡くなる悲しい事故が起こりました。報道によればヒマラヤ経験のベテランもいらしたそうです。
私のつたない経験からですが、日本の山は基本的に天候さえよければ登れてしまいます。
それこそ同じ北アルプスの同じ後立山でも、ある冬には10日間苦闘しても全く登れず2000メートル付近で敗退したり、その逆に半日くらいであれよあれよという間に登れてしまったりします。
1978年12月のことでしたが、当時毎年のように多くの遭難者を出していた鹿島槍ヶ岳の偵察山行の際、あくまで偵察なのに爺ヶ岳まで昼前に登れてしまったことがあります。本合宿にとっておくためにあえて鹿島槍に登らずに下りてきました。
厳冬期の日本の山は、振り返ってみると山の技術や経験とは無関係に、結局のところ天気が良ければ登れて、天気が悪いと登れなかったことに気づきます。
やはり、「天候に細心の注意をする」、それが安全安心の第一歩なのだと思います。


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