農業を滅ぼす「ブレ」(第365回)

本年度から実施される米の戸別所得補償モデル事業について県下全域の農家の方々を対象にアンケート調査を実施した。
たとえば、『米の戸別所得補償制度によって農業経営は良くなると思いますか。』
『生産調整が事実上の選択制になったことについてどう思いますか。』
『戸別所得補償制度で農業後継者は増えると思いますか。』
そのほか『農地集積は?』『FTAは?』『米以外の補償は?』といった14項目にわたる課題について、米戸別所得補償制度がどういう影響を及ぼすと考えているかという調査である。
調査の結果、「農地集積が進む」と考えている農家は約2割、「農業経営は良くなる」と考えている農家はわずか8%、「農業後継者は増える」と考えている農家は実に2%という極めて深刻な実態が浮き彫りになった。
農業にとって何より必要なものは『長期ビジョンであって、これ無しでは営農計画も立てられず、農業経営などできるはずもない。

$ふじい弘之 オフィシャルブログ「レポートブログアメーバ版」-記者会見

                (調査結果の記者会見の様子)
高速道路の無償化が典型的な例だ。
民主党はマニフェストでは高速道路の無償化を高らかにうたっていた。
ところが、政権をとると全国の無償化はやめにして、ごくごく限られた遠隔地だけの無償化に方針を変えた。
その後、実は無償化ではなく上限を課す方針になり、さらには無償化が一転して値上げになり、その後やっぱり値上げはおかしいから見直すとし、さらにやっぱり一度決めたことだからと値上げに戻した。
猫の目も追いつかないスピードでみるみる方針や政策を変えていくのである。
このような政策の激しいブレが、高速道路だけではなく、普天間問題や郵政問題、はたまた中小企業への貸付モラトリアム法案など実に多岐に渡っていることを考えれば、農家の皆さんの不安は当然である。
今回のモデル事業では新規需要米(米粉用米や飼料用米など)には10アールあたり8万円という所得補償がなされる。
この補償額なら新規需要米への転作は進むかも知れない。
しかし、転作を進めた挙句に「財源がなくなりました。補償は打ち切ります。」となれば、それこそわが国農業は壊滅的打撃を受ける。
政策を変えるほうはいい加減なのだが、こちらは生活そのものがかかっているのである。それこそ死活問題なのだ。
民主党政権のブレがどれほど国民生活を振り回してきたか、どれほどひどい影響を悪影響を及ぼしてきたか、政権を担う人たちの猛省を促したい。


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