東京?館山間 この10年(第398回)

大きな流れとして、県内の鉄道運行が今日までどういう変遷をしてきたのかを概観してみた。
県立西部図書館で古い時刻表を出してきてもらって確認した結果は以下の通りである。
10年前の2000年8月のダイヤと本年2010年8月のダイヤを比較したところ、内房線の東京?館山間は、この10年間で、特急が4本なくなっていた。
一方、各駅停車の方は2本増えていた。
特急と各駅停車を一緒にして議論するのもどうかとは思ったが、あえて言えば差し引きで2本の減少となる。
1日に2本なので、年間では730本の列車が東京・館山間を走らなくなっており、往復では1460本ということになる。
では、この内房線の沿線自治体の人口は減っているのかといえば、実はそんなことはない。
まず、千葉市を含め、千葉市より東京方面の自治体は、当然のように大きく人口を増やしている。
一方、市原市を含めそれ以南についても35万8000人から41万7000人へと約6万人も人口は増えている。
人口6万人と言えば、県内都市では、東金市、袖ケ浦市、印西市、山武市クラスである。
見方によれば、内房線沿線に袖ケ浦市がもう一つ誕生したほどの人口増なのである。
このように人口が増えているにもかかわらず、列車の本数が減らされれば、住民から見れば著しい利便性の低下であり、県内観光への影響も懸念される。
一つの事例としてJRの内房線での検証となったが、県内鉄道交通網の維持・強化にもしっかりと目を配っていかなければならない。


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