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活断層の評価

20160507熊本地震記事 (360x640)今日の公明新聞『熊本地震 どう見るか』(東大地震研・平田直教授のインタビュー記事)は非常に重要な内容でした。
政府の地震調査委員会では布田川・日奈久断層帯の「今後30年以内の地震発生確率」をそれぞれ「ほぼ0%-0.9%」「ほぼ0%-6%」としていました。ちなみに兵庫県南部地震の野島断層は「0.4%-8%」でした。
記事によれば、活断層では地震が繰り返されるとは言え、その間隔は『8100年から2万6000年の間(略)という世界なので「30年以内」に置き換えると確率は非常に低くなる』という訳です。
さて、千葉周辺では、まず「鴨川低地断層帯」ですが存在そのものがあやふやです。その他には「立川断層帯」が「0.5%-2%」、「深谷断層帯」が「ほぼ0%-0.1%」、「綾瀬川断層帯」が「ほぼ0%」、そして6つの細かな断層「三浦半島断層群」が「ほぼ0%-3%」とされています。
地震国に住んでいる以上、むやみに心配しても仕方がありません。ただし備えだけは確実に必要です。

雪山における滑落

遭難をまったく報じない新聞がある中で、本日の毎日は社会面、読売は社会面だけではなく1面でも大きく報じたのが目を引きました。
中部山岳は、厳冬期と変わらぬ積雪量ですし、天気が崩れれば6月初旬でも猛吹雪というのが立山・剣では当たり前です。
実は、私は大学2年の3月、北アルプス後立山で滑落事故を起こしています。
風にあおられてバランスを崩し、そのまま何百メートルも滑落しました。
練習通りの滑落停止姿勢に入ろうとしましたが、スコップやザックがあってうつ伏せになれません。
そのうち、背負子以外の荷が吹っ飛んだのでようやくうつ伏せになれてピッケルを斜面に打ち込みました。
しかし結果は、跳ね返されてピッケルが飛ばされてしまいました。
バンドを手繰ってもう一度ピッケルを持ち直して打ち込みましたが、スピードは落ちません。
止む無く、教科書ではやってはいけないとされているアイゼンでの制動を試みました。
これもそれほど効果があったとは思えませんでしたが、雪質によっては「やるべき」と思いました。
滑落しながら、生き残るためのいろいろな方策を考えましたが、結局は止まろうが止まるまいが滑落停止姿勢で斜面を削りながら落ちていくだけでした。
私が助かったのは尾根の段差から落ちた時に下の雪が柔らかかったからにほかなりません。途中に岩でもあれば死んでいたと思います。
滑落を経験した私が得た結論は、滑落停止術の訓練はもちろん必要ですが、それと同時に、まず倒れたら形にこだわらず即座にピッケルを刺す、これに尽きるということです。出来れば体が空中にあるうちに刺す。
そして、その第一段階に失敗したら滑落停止姿勢ということです。
もちろん、歩いているときから雪質を意識して、倒れた時にはこうしようと考えておかねばなりません。