日別アーカイブ: 2012年10月12日

国民の金は自分の金

今朝の朝日新聞の社説は『職場放棄はもうやめよ』でした。
これは言うまでもなく、野田首相が国民の生活を犠牲にして、一日も長く政権を保持していたいがために臨時国会を開会しないことの痛烈な批判です。
3党合意によって設置するとした『社会保障制度改革国民会議』もいつになったら設置されるのかわからず、3党合意による簡素な給付措置に必要なマイナンバー法案のめども立たず、さらに特例公債法案もどこかに行ってしまった感があります。
特例公債法案は成立しないと地方交付税が入ってきません。
千葉県のような大きな県ならまだしも、市町村では一時借り入れといっても利払いにも苦労するところが出てくることと思われます。
それに対して、民主党政権からは「地方に迷惑をかけない。利子は国が出す」という声が聞こえてきます。
この勘違いが恐ろしいのです。
国で出すということは、別に民主党が出すのではなく、国民の税金で出すということです。
国民の金を使って「地方に迷惑をかけない」などと普通は恥ずかしくて言えるものではありません。
つまりは、他人の金、国民の金は自分の金という意識丸出しなのです。なぜ国民から預かっている貴重な財源という発想に立てないのでしょうか?
今さらといえば今さらなのですが、「国民生活を犠牲にして延命を図る」「延命のためには国民の税金を使わせてもらう」では民主党の正体見たりです。

震災から1年7か月後のセシウム

夜遅く帰宅すると県庁からファックスが届いていました。
送信元は、千葉県環境生活部自然保護課と千葉県農林水産部農村環境整備課の連名です。
『野生鳥獣肉の放射性物質検査結果について』という表題で、印西市で捕獲された野生のイノシシから、キログラム当たり100ベクレルを超える放射性セシウム(それでも120ベクレルですが)が検出されたという内容です。
千葉県内には4か所の野生獣肉処理加工施設がありますが、現在そのすべてでイノシシ肉の出荷が自粛されています。震災前は東京の有名シェフの店に出荷して地域活性化のシンボルだったところもありましたので残念でなりません。
こうしたセシウムの被害は実は思わぬところにも及んでいます。
原発に代わる新エネルギー発電として期待されている分野にバイオマスがあります。
千葉県市原市の三井造船には、日本最大規模の49900キロワットのバイオマス発電施設があります。(写真参照)
一口にバイオマス発電といっても、本格的に100%木質チップなどを使っているところもあれば、バイオマスとは言いながら石炭や古タイヤなどにバイオマス由来のモノを若干混ぜて発電しているところもあります。ちなみに市原の三井造船は建築廃材を使用しているのでバイオマス発電だと胸を張れます。
さて、そうした木質系の発電所の中で間伐材を使用している発電所がいくつかあります。震災以後、この間伐材に放射性物質が付着して焼却灰から高濃度のセシウムが検出されてしまいました。したがって、現在は間伐材のみを使用した発電は行えておりません。
つまり、脱原発のためのバイオマス発電にまでセシウムが影響しているという実に皮肉な話となっているのです。
私たちは、このセシウムの影響を数十年先まで覚悟しなければなりません。これからも思わぬところに影響が出て来る可能性があります。しっかり監視していかねばと思います。