日別アーカイブ: 2012年10月8日

『ごまかし』2説

『ごまかし』という言葉の由来には二つの説があるそうです。
言語学者の柴田武先生によれば、一つは「部屋に煙が充満するほど護摩を焚いてしまって回りが見えなくなった」という説。
もう一つは、「文化・文政時代に胡麻胴乱という名前の菓子があって、中が空洞になっていた」という説です。
さて、野田総理の周辺からは臨時国会の開会時期が全く見えてきません。これまでは、赤字国債を発行するためには特例公債法案を通さなければならず、万一通らないと財源が枯渇すると言い続けてきたのに実に不思議な話になっています。
「通常国会が終了する夏には通さないと大変なことになる」としていたのが、「秋に通さないと大変なことになる」になり、俳句の世界では冬に当たる「『11月』で財源が枯渇する」という言い方になり、今の雰囲気では11月で通さなくても大丈夫なような雰囲気すらあります。
もし臨時国会を開かないというのなら、そもそも来年の通常国会で通せばよいということになり、これまでずっと『ごまかさ』れていたことになります。
財務省がこれまで主張してきた危機感が、実はごまかしであったことが総理の能天気さによってばらされてしまいました。
財務省が必死で焚いてきた護摩の煙も、総理の責任感のど真ん中に空いた穴からどんどん漏れ出てしまった形です。
しかし、最低限の責務として地方が借りざるをえない一時借入金の利子だけはきっちり払ってもらわねばなりません。これのごまかしは許されません。