日別アーカイブ: 2009年7月6日

外縁の地にコストは嵩むか?

夕刊各紙は中国西部の新疆(「しんちゃん」と呼びたい)ウイグル自治区での大規模な騒乱を伝えた。
800万人いると見られるウイグル族は少数民族とは言いがたい。
これほどの規模の宗教も文化も異なる他民族を統治しようというのだから当然無理が生じる。
無理を押さえ込むには、武力も財も、そして場合によっては多くの人間の命さえも必要となろう。
新疆ウイグル自治区でもこれまでどれほどの命が奪われていて、これからさらにどれほどの命が奪われるのであろうか。
やはり外縁の地を統治するには相応のコストを支払わねばならないのである。
ところが、その一方で外縁の地の方がコストが低いケースがある。
首都圏の自治体が外縁の自治体の社会福祉法人に高齢者を送り込むケースがそれである。
都心部で老人ホームを設置するコストは、とても介護報酬では見合わないのだろう。
本年3月に渋川市にある高齢者入居施設で起った火災は、私たちにそんな介護現場の矛盾を垣間見せた。
焼死と言う痛ましい最期をむかえたお年寄りが10人もいたことにやるせない気持ちでいっぱいになる。
厚生労働省は都道府県に対して無届け有料老人ホームの安全点検を要請した。
千葉県内には41施設あり、そのうち39施設に防火安全体制に問題があったことが判明した。
つまり問題のなかったのはたったの2施設だけだったのである。
私は、正直なところ人を預かるということがこんなにも軽かったことに唖然とした。
そして、これが保育所だったらありえないだろうとも思った。
千葉県の改善指導により、現在3施設からこのように改善しますという届出があり、さらに8施設が改善の届出を出す準備に入ったという。
仮にこれらが改善されたとしても13施設。残り28施設はどうなっているのだろう。
残り28施設のオーナーは何をどう考えているのだろう。
これが無届け有料老人ホームの実態である。
しかも、あくまでも無届けであるから本当のところは誰も分からない。