共産党のホームページを見ていてビックリしたことがある。
それは、5月20日に有明コロシアムで開かれた共産党大演説会での志位委員長講演である。
4月28日に志位委員長がオバマ大統領へ書簡を送り、その返書が5月16日に届いたという。このことについての発言である。
「返書が返ってきたのは歴史上初めての出来事であります。(大きな拍手)」
「この返書は、オバマ大統領の核廃絶に対する真剣さと熱意を示すものであり、私は歓迎したいと思います。(拍手)」
(藤井による注・返書はグリン・デイビス国務次官補が代理として書いたもの)
「この一連のやりとりを通じて、米国政府と日本共産党との間に公式の対話ルートが開かれたことは、大変重要であります。(拍手)」
(藤井による注・「一連のやりとり」とは志位書簡とそれに対する国務次官補の返書のこと)
歴史上初めてのことなので大喜びなのは私も理解できる。
しかし、共産党はその綱領からして米国に対して最大級の批判を繰り返してきた。
『アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、諸国民の主権と独立にとって最大の脅威となっている』
『経済的覇権主義も世界の経済に重大な混乱をもたらしている』
そのほか『野望』とか『むきだし』とか『あからさまな覇権主義、帝国主義』など相手を攻撃するときに使用する言葉のオンパレードで、読むと心が暗くなってしまうのが日本共産党綱領である。
まさに年季入りのアメリカを批判を繰り返し、反論は問答無用と撥ね付けてきた共産党が、何んと一通の返書でころっと変ったのである。
これまでの批判は何だったのか?と思われるほどの変りように、私は唖然とした。
しかし、もしかしたら共産党の態度をころっと変えさせた手紙が凄かったのかもしれない。
それほどの手紙をしたためたグリン国務次官補の力量をほめるべきなのかも知れない。
いずれにせよ、これをきっかけにして共産党の頑なな体質が変れば何よりだと思う。
どうか、志位委員長の大喜びが「ぬか喜び」に終わることのないように。
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