東北地方太平洋沖地震」カテゴリーアーカイブ

苦闘する「うつくしま」

震災から1年たちました。
公明党全国代表懇談会は福島県郡山市の「郡山ビューホテル」を会場にして開催されました。
来賓として登壇された佐藤福島県知事のあいさつ。
「昨年は、地震、津波、原発、風評、豪雨、台風に襲われた。まさに災害の年だった」
「260回の災害対策会議があり、今なお継続中です」
「福島で全国の会議、国際会議が22回開かれました。その中で全国高等学校総合文化祭がありました。これは原発事故直後の5月に開催か中止かを決めねばなりません」
「高校生たちは何とか開催してほしいという。躊躇しながら開催を決めました。1万人の全国からの高校生たちがスクラムを組んで頑張れと言ってくれた開会式。どれほど励まされたか」
高校生たちの元気な姿が目に浮かぶ挨拶でした。
私はいつも思うのです。
『希望』の形とは何か?
それは子供たちの遊ぶ姿ではないかと。
子どもたちの姿、子どもたちの遊ぶ姿が見られなくなったらどれほど悲しいことかと思います。
千葉県も被災県の一つです。東北とともに『希望』あふれる復興に全力で取り組もうと決意しました。
※写真は、南相馬市のTさんの農場で朝摘みされた苺です。ビューホテルの会場にて最高においしくいただきました。

ようやく4号機、早くも4号機

3月8日の日経新聞社会面に『燃料搬出へ カバー建設』『福島第1原発4号機 来年末メド 取り出し着手』という囲み記事がありました。
「ようやく4号機」とみるべきなのか、「早くも4号機」とみるべきなのか、素人の私には判断ができないでいます。
いずれにしても福島第一原発の事故は、これまであまり知られていなかった事柄があまりにも多かったことに気づかされます。
それは「知らされていなかった」ことが『主』だと思いますが、それもさることがながら、『従』ではあるものの私たちが「知ろうとしなかった」側面もあるのでは、という反省をも突き付けています。
この記事にあるような手順で、クレーンが付いたカバーを製造して、4号機の核燃料が取り出されます。
すると、1号機や3号機といったそのほかの原発からも基本的に同じ手順で取り出すことができればいいのですが、それがどれほど困難に満ちていることかが浮き彫りになります。
いわゆる専門家のみが気づいていたことが、私たち素人の目にも明らかになっていきます。
ことこの段階に至って「知ろうとしない」ことはもはや許されません。現実から目をそむけてはならないというのが原発事故の教訓なのだと思います。
ともかくも4号機の核燃料の取り出しが成功することを、電源喪失という事態が二度と起こらないことを、そして福島原発に再び津波が押し寄せることのないことを祈るばかりです。

銚子市、旭市を視察しました

東日本大震災から約1年が経過しました。被害を受けた地域がその後どうなっているのか、復興が進んでいるのか、銚子市ではマリーナの被害状況、旅館やホテルの風評被害、旭市では飯岡漁港の視察をしました。
宿泊施設の風評被害は、3月11日から数か月間の開店休業状態が特にひどく、各ホテルの総支配人の皆さんも「当時を思い出すのも嫌や」とおっしゃっておられました。
通常は夏が最も繁忙するシーズンなのですが、売り上げは例年の4割減、このところようやく個人のお客様は戻ってきたものの団体は全然戻らないとのことでした。
風評被害に対する補償がいつまで継続されるものなのか不安であると語っておられました。
旭市の飯岡漁港ではおりしもイワシ漁の船が帰ってくる時間帯に当たり、期せずして水揚げの実際をみることができました。
漁港の整備やそのほかいろいろ現場の声を聴かせていただきました。
2月17日から始まる議会でしっかりと取り上げてまいりたいと思います。

日本海溝海底地震津波観測網の整備は?(2)

(前回からの続き)
太平洋岸の地震津波観測はようやく端緒につきました。
基本的な事業内容は、①海底地形・地質を把握し、ケーブル敷設ルートを選定する。②地殻構造が安定で適切な観測点かどうかを確認する。③ケーブル式観測網に組み込む海底観測装置を開発する。という3つから成り立っています。
この事業が完成すると、北海道の東南海沖から房総半島沖までの太平洋に地震・津波体制が出来上がります。
したがって、この3次補正予算の後、平成24年度予算はどうなるのかが非常に気になっていました。
このほどの地震調査研究関係の政府予算案をみると、文部科学省研究開発局の予算のなかに『日本海溝海底地震・津波観測網の整備』として126億1300万円の計上があり、とりあえずホッとしました。
研究開発や観測網の整備は息の長い事業となります。高精度の津波即時予測システムの開発や地震象の解明も例外ではありません。
現在のシステムは、陸上の地震計により津波の高さを推定しているためにどうしても精度に限界があります。
太平洋岸の原発のことを考えあわせても一日も早く整備されるよう、今後も訴えてまいりたいと思います。

日本海溝海底地震津波観測網の整備は?(1)

昨年6月22日の千葉県議会で次のような質問をしました。
『房総半島沖は、マグニチュード8クラスの地震の空白地域だという新聞報道がありました。つまり、東日本大震災では、震源域は長さ約480キロ、幅約170キロという広大な広さで、岩手県沖から茨城県沖まで及んでおりますが、我が千葉県に大きな被害をもたらす危険性のある房総沖の地殻は、今回は動いていないということであります。(略)こういう話を聞きますと、房総沖や野島崎沖にもセンサーをしっかり設置してもらいたいと思います。
 房総沖や茨城沖の地震は、当然、現在核燃料の冷却に全力で取り組んでいる福島原発にも大きな影響があります。我々は、房総沖から東京湾内にも津波のおそれがあるという前提で対策を立てなければならないと思いますし、折しも津波対策法案も可決成立いたしました。そこでまず、千葉県として、地震想定についてどう考えているのか。また、房総沖など千葉県周辺の津波監視体制の強化を国に求めていくべきと思うが、どうか、御所見をお伺いいたします。』
これに対して森田健作知事はこう答えました。
『房総沖など千葉県周辺の津波監視体制の強化を国に求めていくべきと思うが、どうかとの御質問でございます。県では、過去最大の津波被害を本県にもたらした元禄地震などをもとに、津波の高さや浸水域などの想定を行っております。しかしながら、千葉県に影響を与える可能性のある三陸沖から房総沖の海溝寄りの地震や、東海、東南海、南海地震の3つの地震の連動発生などが懸念されることから、今後国の調査検討状況を注視してまいりたいと思います。また、房総沖を初め県周辺における海域での地震については調査研究が十分でないことから、これをさらに推進することや、津波の監視体制の強化などについて国に要望してまいりたいと考えております。』
その後、国の平成23年度第3次補正予算において、『日本海溝海底地震津波観測網の整備』ということで77億円の予算が付き、太平洋岸の地震津波観測に大きな前進が見られました。(次回のブログに続く)