都県境の「ひったくり」(第453回)

平成18年から松戸市の「ひったくり」件数をみてみるとやはり減少している。
平成18年456件、平成19年411件、平成20年338件、平成21年355件である。
今年は10月までの数字で、186件。昨年は10月までで312件だったので昨年と比べても4割減ということになる。
これまでワースト1位だった松戸市において「ひったくり」を減らすことが出来た。
平成18年12月議会での私の質問の成果が出た形になっているのがうれしい。
これだけ「ひったくり」を減らせた要因は、県警が徹底してバイクパトロールを強化したこともさることながら地域の皆さんのボランティアによる青色パトロールカーの運行、そして町会などでの注意喚起のキャンペーンの賜物だと思う。
やはり地域住民と警察が協力 すると大きな力となる。
しかし、本当のところ「ひったくり」は全体として減っているのだろうか?
実は、柏市でかなり増えていることが気になるのだ。
さらに、松戸市のような都県境においてはお隣の東京都で増えている可能性がある。
都県境はあくまで行政上の都合で線引きがされているにすぎない。
「ひったくり」に限らず、犯罪抑止には、やはり東京・千葉両都県がどう協力体制を組むかが大事だ。
さて、同じ警察の統計であるのに、埼玉県警のホームページには市町村別、犯罪別の数字が出ていない。
調べてもらったところ、本年1月から10月までで、三郷市が16件、吉川市が44件なのでそれほど多くはない。
東京(警視庁)のホームページにも出ていないのだが、こちらは市区町村別の犯罪総数とそれぞれの犯罪の割合は出ている。
計算してみると葛飾区123件、江戸川区119件である。
しかし、東京都の数字が少し小さいのが気になる。人口規模に比して千葉県の主要都市よりもずいぶん少ない。
大体、全国のワースト1位を大阪府と千葉県が争っているという構図からしておかしい気がする。
なぜ東京都ではないのだろう?
実は、ある情報によると自転車の籠のバッグが取られた場合、千葉県では「ひったくり」とカウントし、東京都では「その他」でカウントしているというのだ。
純粋に「ひったくら」れたケースのみを東京都では「ひったくり」としているというのである。
もし、そうだとすれば犯罪統計による比較そのものが無意味ということになる。
犯罪統計についても統一するという協力体制を組みたいものである。


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