福島の人たちに申し訳ない思い

8月2日付の朝刊各紙には重大な記事がいくつもありました。
『毎時10シーベルトの高線量を確認』(千葉日報)
それも、実は計測器の限界を超えていて10シーベルト以上だというのですから緊急事態です。
核種が水素爆発のときに飛び散っていたのでしょうか。
『沖縄にも放射性物質』(東京新聞)
放射性セシウムが、地球を何周か回ってとうとう沖縄に降下したわけです。
こうした記事ををみると、迷惑をかけているすべての人に対して、とりわけ福島の人たちには申し訳ない思いでいっぱいです。
千葉県には原子力発電所がなかったこともあって、これまで原子力政策について本格的な議論をしてきませんでした。
2005年10月に原子力政策大綱が出された時が、議論のチャンスだったかもしれないと今にして思います。
その年の7月、福島県はいくつもの提案をしています。その主なものを記述します。
1、原子力政策に国民的議論の仕組みを組み込むべきである。
2、(使用済み燃料の)再処理及び直接処分の長所短所を明らかにして今後の在り方を決めるべきである。
3、再処コストは妥当なのか?再処理政策に固執することは将来を見誤ることにならないか。
4、高速増殖炉の実現性は疑問である。第三者による事業評価を行うべきである。
5、プルトニウムの定量的な処理見通しを示すべきである。
6、使用済みMOⅩ燃料の環境に対する影響が考慮されていない。
7、原発での死傷事故や不正事故を未然に防止できなかった。安全確保の仕組みを整備すべきである。
8、原子力安全・保安院を経済産業省から分離すべきである。
9、国の安全規制行政が有効であるという根拠を示していない。これまでの実態を客観的に評価、記述すべきである。
政策決定プロセス、核燃料サイクル、安全性、経済性、高速増殖炉の実現可能性、核不拡散、環境適合性、安全規制体制など各分野からの疑問・提言でした。
これに対して、国はどう応えたのでしょうか。
原子力政策大綱は、福島県の提言のほとんどすべてを無視したように思われます。
そして、それに対して福島県以外の都道府県は何らのアクションを国に起こさなかったように思うのです。
福島の人たちには本当に申し訳ない限りです。


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