小さな町や村のなかには、「そこまでやりますか?」という施策をもっているところがあります。
全世帯にパソコンを貸与してインターネットに接続する、全戸に無線機を設置するなどです。
それが悪いというのではありません。
お年寄りの安否確認もままならないですとか、防災無線を集落ごとに設置するよりも安上がりということもあると思います。
しかしながら、小中高校生を公費で海外に派遣すると聞くと、もっと別の使途があるのではと思うのです。
そうした自治体が地方交付税を受け取っていない「不交付団体」なら、住民の責任で行っているわけですから問題はありません。ところが、歳入における地方税の占める割合が10%足らずだとなると複雑な気持ちになります。
たとえば過疎地で、少人数の子どもたちに何かしてあげたいという気持ちはわかりますので、正直なところそうした予算の使い方もやむを得ないのだろうなと思います。
さて、その一方で大都市であるにもかかわらず、似たような施策を打ち出したところがあります。
あの名古屋市です。市長の公約が減税でした。
これも名古屋市が「不交付団体」なら文句はありませんが、名古屋市民の減税のために無関係なわれわれの税金が使われるとなると気持ちのいいものではありません。
平成21年度決算ベースでみた名古屋市の歳入における地方税の割合は47.7%です。
わが千葉県内で名古屋市以上の割合の団体は、20市1町もあります。
千葉市、船橋市、市川市、松戸市、野田市、茂原市、成田市、佐倉市、習志野市、柏市、市原市、流山市、八千代市、我孫子市、鎌ヶ谷市、君津市、富津市、浦安市、袖ケ浦市、白井市そして芝山町です。
みな苦しい中でも知恵を絞ってやりくりをしています。
名古屋市の減税手法は、我も我もと他の団体もやりだせば、ただただ将来の借金を増やすだけの手法であり、結果的に、他人に借金を押し付けて自分だけが得をしようという施策です。
少なくとも日本人のメンタリティにはなじまない「あこぎ」なやり方だと私は思います。
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