1月8日付の日本農業新聞に『感染拡大止まらず 殺処分100万頭超』という記事がとうとう出た。
昨年の宮崎県での大流行でさえ28万8643頭の殺処分だった。
その4倍近いのである。まさに危機的だ。
ではなぜ韓国ではここまでの猛威となっているのか?
宮崎大学農学部の末吉益雄准教授によれば、冬の寒さが大きく影響しているという。
第一に、消毒液の凍結により散布が難しい。消石灰も積雪があれば効果的に使用できない。
第二に、ウイルスが苦手とする紫外線が日照時間の短さや雪により地面に届かない。
そして、末吉氏は雪の下でウイルスが生きのびており、春の雪解けとともに再び猛威をふるう可能性すら指摘する。
上記の理由を見れば、宮崎県の事例はたまたま春から夏にかけての流行だったから消毒液も使用でき、夏場の紫外線の強さに救われたとも言える。
梅雨時のための埋設の難しさが指摘されていたが、冬場よりはましだったということのようだ。
韓国の口蹄疫発生状況マップを見ると、昨年11月29日に慶尚北道で発生。
その後は、12月15日に京畿道で発生。
12月22日に江原道、12月24日に仁川広域市、12月28日に忠清北道、1月2日に忠清南道と感染が拡大している。
北朝鮮と接する北部地方にはすべて感染が見られる。
つまり、北朝鮮に飛び火している可能性もある。
また、逆に感染がないのは、南部の慶尚南道、全羅北道、全羅南道である。
末吉氏は、「南には養豚地帯がある。南には釜山もあり、福岡との人の行き来が盛んだ。今後、人の動きが活発な春節(旧正月)を迎える。春先にかけ、日本への感染拡大の危険性が高くなってくるだろう。」と警鐘を鳴らす。
一方、その南部では、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が拡大しているとの報道もある。
まさに韓国は踏んだり蹴ったりである。最悪のパターンは、韓国から跳び火して日本で発生し、韓国が終息を迎えたときに今度は日本から跳び火するという形である。
まるでババ抜きのババのように、日韓二人のプレーヤーの間をウイルスに行ったり来たりされてはたまらない。
アジア全体で常にどこかで口蹄疫や鳥インフルが発生しているのであれば、いよいよアジアあげて対策に取り組む体制が構築されるべきなのかもしれない。
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