住民投票は運用こそが肝要

今朝(6月8日)の東京新聞に野田市が『住民投票条例案提出へ』という記事がありました。
6月定例会に常設型の条例を提出するそうです。
私は、非常に重要でかつ必要な条例だと思います。しかし、その一方で運用は一筋縄ではいかないとも思っています。
たとえば松戸市で問題になった国保市立病院の建替え問題です。
現地建て替えか、移転建て替えかという住民投票をやるべきという意見がありました。
住民投票をしてもとくに問題がないように思えます。
しかし、実はその市立病院をどういう病院にしたいのかという市民あげての合意がないと正確な判断ができないはずなのです。
600床の総合病院が必要だということであれば、コストの面でも技術的にも移転建て替え以外には難しいという結論になるのでしょう。
これは先の松戸市の検討委員会の答申で明らかです。
しかし、仮に極端な話ですが、病院ではなく診療所でよいのだということであれば、わざわざ他に土地を求めて移転する必要はないでしょう。
このように病院の規模や医療レベル、医療内容がまず議論されて、市民の間で「こういう病院にする」という合意ができて、はじめて「現地」か「移転」かの住民投票ができるのではないでしょうか。
その途中の話を飛ばしてしまって、いきなり「現地」か「移転」かの住民投票をしてしまうと誤った判断になりかねません。
市民の皆さんが市立病院の将来像について同床異夢であったとすれば、住民投票条例がかえって市民に不利益をもたらすことになってしまいます。
したがって、住民投票は必要な仕組みだと思うのですが、その運用については徹底的な議論があってはじめてなされるべきものなのだと思うのです。


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