心配な国の経済財政議論

内閣府のHPにアップされている5月11日の「第7回経済財政諮問会議」議事要旨を読んでいると、本当に心配になります。
石原伸晃特命大臣が「地方財政改革について議論したい」と宣言し、高橋進議員がこう述べます。
「資料3-2をご覧いただきたい。(略)自治体の基金積立残高は21兆円に達している。(略)21兆円というのは新たな埋蔵金と言われかねない状況ではないか。(略)」
何だか、地方の基金積立が不正蓄財かのような発言です。
そこで「資料3-2」をみると、千葉県の基金積立額は2088億円だとされています。
この数字の根拠は何でしょうか。
実は、この金額には減債基金353億円が含まれています。減債基金というのは、たとえば30年後の満期が来たら一括で返さねばならない借金を確実に返すために、毎年30分の1ずつ積み立てておく基金です。これは言わば、国の指示で行っているもので、満期が近づけば増えていくのが当たり前の基金です。
さらに、使途が決まっている特定目的基金1263億円も含まれていますので、千葉県の実質的な基金積立額は472億円ということになります。何と2088億円の4分の1以下です。
他の自治体も同様だとすると、「21兆円に達している」不正蓄財どころか、「5兆円しかない」自転車操業に近いことになります。
そもそも地方財政は国の方針に大きく左右されます。
地方財政ショックと言われた平成16年度は、地方自治体は基金を取り崩すことで何とかやりくりしました。ちなみにこの時の千葉県の基金は完全に空っぽ・ゼロ円でした。
こんな綱渡りのような財政が良いはずがありません。再び起こるかもしれない地方財政ショックに備えるために、少しでも余裕のある時に基金を積み立てておこうと思うのはごく普通の感覚です。
そういうことには触れずに議論が進んでいることに、私は危うさを感じるのです。

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