医師の行方不明問題・4つの仮説(第501回)

「ふじいの独り言」第507回
昨年夏は高齢者の行方不明問題が社会を揺さぶった。
各自治体が総出で高齢者を訪ね歩いて、ようやくおさまった感がある。
しかし、ここ数年ずっと言われ続けている医師不足問題はどうなったのであろうか。
果たして解決に向かっているのだろうか?
物事には原因と結果がある。
原因の分析を誤るといくら対策を打っても解決しないどころか、事態を一層深刻にする場合すらある。
医師不足の原因は究明されたのであろうか?
千葉県病院局長によると実は医師は増えているのだという。
増えているデータを見せていただいたことがある。
医師が増えていることは間違いない。
医師の絶対数は増えており、しかも医学部定員も間違いなく増員しているのでこれからも増え続ける。
にもかかわらず医師が不足しているということは、偏在しているということになる。一体どこに?
これが表題の医師の行方不明問題である。
まるでミステリーのようだが、仮説として4つの偏在が考えられる。
第一に、地域的な偏在である。
「都市部に多くて地方に少ない」ということが考えられる。
第二に、診療科における偏在である。
「形成外科や眼科が多くて産科や小児科が少ない」ということがあるだろう。
第三に、勤務形態の問題がある。
これは都市部に限ったことかもしれないが、「開業医が多くて勤務医が少ない」ということがあるだろう。
第四に、時間的な偏在である。
「昼に多くて夜に少ない」ということはあるだろう。
誰だって、夜遅くまで働きたいとは思わない。
これら4つの仮説に対して、現在の対策はちゃんと対応しているのだろうか?
たとえば時間的な偏在を解消するためには、夜間の診療報酬を相応にあげなければならないだろう。
ただただ医師の数だけ増やせばよいという発想では絶対に解決しないことだけは確かである。


Notice: compact(): Undefined variable: limits in /home/na-tive/www/lab_fujii/wp-includes/class-wp-comment-query.php on line 853

Notice: compact(): Undefined variable: groupby in /home/na-tive/www/lab_fujii/wp-includes/class-wp-comment-query.php on line 853