どうするアライグマ問題(第168回)

鎌倉市が発端となったと言われるアライグマ問題。
瞬く間に三浦半島はじめ湘南地方までアライグマが席巻した。
わが房総半島へは、自然障壁としての東京湾があり、人工障壁としての東京都心があるので、そう簡単には侵入してこないだろうと思っていたが、残念ながらすでに7000頭はいるという。
これではもうアライグマをどうこうすると言っている状況にはない。
私はこれまで、外来生物は可愛そうだけれども排除すべきと思ってきた。
したがって、駆除する側のハンターの質をどう高めるか?あるいは高齢化したハンターを若返らせるために狩猟免許等を取得しやすくすると言った方途を考えていた。
しかしながら、ゴルゴ13ばりの凄腕ハンターが大量にいなければ、現実的には駆除できないとなればアライグマの排除はあきらめるしかない。
同様に、アカゲザルの組織的駆除ももしかしたらあきらめたほうが良いのかもしれないと思い始めている。
予算をかけて駆除に乗り出しても、根絶できないうちに瞬く間にまた増えるのだから未来永劫に税金のムダ使いとなる。そうであれば、その予算はむしろ農業者への補償に使うほうが賢明であろう。
この現実的発想が大事であって、仮に根絶できないなら今後の駆除は生活上の被害や農業などの被害に対処することを中心に行なうべきである。
何か決定的な方策が見出せない限り、アライグマなど特定外来生物根絶については敗北宣言が時間の問題に思えてならない。


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