多品種少量行政(第173回)

小売やサービスの分野で、『多品種少量』 という言葉が使われ始めたのは何十年前のことだろうか?
大量生産の既製品はもう流行らないということの対比として使われた言葉だ。
それが、ようやく行政の分野でも言われるようになってきた。
従来のように、70歳以上の方全員一律のサービスを提供する、何歳の子どもに一律のサービスを提供する、というような『行政サービス一律提供』が財政的になしえなくなってきているのも一因だろう。
たとえば、福祉というものを考えれば、困っている人に対して、その困っている内容に応じて、その困った状況を解消するに足るサービスを提供しなければならない。
ところが一律サービスでは、困った人の困った内容や困り具合に応じていないケースが出てくる、あるいは困っていない人にも同様のサービスが提供されてしまうかもしれない。
したがって、これからの行政はその人に応じたサービス、すなわち『多品種少量』が求められるというわけである。
行政という、マーケットの範囲外にある分野であっても、こうした流れというものはもはや免れがたい。
行政はいま一段上の進歩が求められているのである。


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