借金大国の恐るべき結末(第203回)

ロシア経済がこれほどまで急激に立ち直れたのは、言わずもがな原油などのエネルギー資源価格の高騰の凄まじさである。
(石油王の名がアブラモヴィッチだというのはあまりにも出来すぎた話)
さて、このような急激な経済成長はしばしばインフレをもたらす。
わが国でも高度経済成長時代はインフレ退治が毎回の総選挙の争点であった。
したがって、現代ロシアの最大の国家課題はインフレ抑制と持てる者と持たざる者との格差是正である。
ここでわが国に眼を転じる。
わが国の借金は840兆円といわれる。地方にも200兆円はあるので、合わせて約1000兆円である。
そしてこの借金は国内で消化されているという。これが何を意味するか?
もし本当にこれを返すとすると(もちろん返さねばならないのではあるが)、その結末は(公債を)持てる者と(公債を)持たざる者の格差の拡大に他ならない。
よく言われるように、歴史上ある一定以上の債務を負ってしまった国がそれを返済した事例がないとして、わが国も同じ道を歩むとしたらその結末もインフレである。
インフレで最も苦しむのはやはり持たざる者であることは言うまでもない。
これが借金の恐るべき本質であり、何のことはないロシアの課題と全く同じなのである。
ただロシアよりも心配なのは、そのときわが国はロシアほどの経済成長をしているかどうかである。


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