『変動帯』を忘れている

今朝の日経新聞『経済教室』は、『原発再稼働への焦点(上)』でした。
筆者の豊田氏は『原子力に対する信頼回復のための努力を前提としたうえで、日本のエネルギー源として原子力は不可欠であると考える』とおっしゃっています。
しかし、私にはこの主張はとても納得できません。『原子力に対する信頼回復のための努力』という発言には、『努力で良いの?』と突っ込みたくなりますし、そもそも『原子力に対する信頼回復』だけでは済まないことは自明だと思うのです。
豊田氏の主張には、日本が、地球上において『変動帯』に位置するという認識がすっぽりと抜け落ちているのです。
原子力の制御技術が完璧であろうと、断層が動いたときに耐えきれる建物は存在しません。巨大津波に耐える設備もありません。
したがって、地球規模で眺め渡せば、原発の適地は日本や南米といった環太平洋の変動帯ではなく、ヨーロッパのような安定した地殻であることは言うまでもありません。
「エネルギー政策上、原発は必要」と言う前に、「日本列島では危険すぎる」という前提があるのです。そして、わが国の原発輸出においても変動帯か否かは考慮されるべきだと思うのです。
(写真は岐阜県での活断層調査です)


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