不信感増長の連鎖を断ち切るには

今朝の読売新聞の1面トップは『薬効論文データ改ざん』でした。
データを改ざんして、あたかもその薬が効くように見せかけ、その薬を売りさばくという構図です。
データ解析を担当していたノバルティスファーマの元社員からは「聞き取りができなかった」と記事にはあります。
この種の問題に共通していることは、何か不祥事があった時、個人であれ組織であれ、それを隠したくなります。そして、不祥事を隠したとき、不祥事そのものよりも隠蔽工作の方が重大な問題になるということです。
隠蔽工作が発覚すると、他にもまだ隠しているのではないか、まだ不祥事があるのではないかと言う『不信感の増長』が起こってしまうのです。不信感が更なる不信感を呼び起こし信頼が崩壊していくことこそ重大問題なのです。
iPS細胞のときにも、おかしな研究者によるマスコミの誤報につながりました。
現実の問題として、社会や団体の中に悪意を持った人が混在してしまうのは避けようがありません。
悪意の人が問題を起こしたときに、当該組織がどう対処するのかを人々は見ているのです。
今回のデータ解析をした人にもぜひ事実を語ってほしい。そして、改ざんをしたなら改ざんするに至った経過も含め明らかにしてほしいと思います。このままではわが国医療界の信用失墜は取り戻せません。
(写真は、海浜幕張の某企業への通路にあるだまし絵です)


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