都道府県レベルのパーセント法(第238回)

パーセント法といえばハンガリーが有名だ。
これは、納税者が自分の意思で選んだ機関や団体に自分の納める税金の何がしかの割合(例えば1%)を寄付できるという制度である。
機関や団体に寄付するという行為が欧米ほど一般的ではないわが国ではなかなか根付かない制度かも知れないが、この修正版が既に市川市などでスタートし、少しずつ各地に広がり始めている。
私は、この『独り言』でしばしば書かせていただいているように、国の統治や自分の地域のあり方に関わるべきと信じているので、この制度も基本的に正しいと思っている。
また、もう一つのメリットとして国籍によって参政権を与えられていない納税者にも(微々たるものとは言え)その権利が行使できる利点もある。
問題は、これを都道府県レベルで実現することが非常に難しい点だ。
所得税や住民税を納めるのは国であり市町村である。
すなわち都道府県は直接納税者とつながっていない。
したがって、納税者の意思を確認しようが無い。
発想を変れば、例えば企業に対してパーセント法の適用ができるかもしれない。
しかし、企業に国の統治や自分の地域のあり方まで考えさせる政策誘導にはどうしても無理がある。
と言って文化などの特定分野に限れば、すでに企業メセナがある。
やはり都道府県レベルの適用はどうしても難しい。


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