入札不調は小泉改革の結果?

4月21日の日本農業新聞のコラム『取材ノート』は小泉さんを悪者にしすぎだと思いました。表題が『排水機場の入札が不調』で、その見出しが『響いた小泉改革』なのですから。
しかも記事の中で「入札不調は小泉改革の結果」という業者の方の発言まで書かれています。
記事の分析は、「小泉改革によって土木費が削られた」⇒「建設業者が人員をカットした」⇒「人手不足で落札できない」⇒「建設業者は土木費がカットされているので雇用を増やさない」という論調のようです。
そこで、千葉県の土木費を見てみると、平成13年度が2314億円なのに対して、平成23年度では1224億円とほぼ半減しています。
歳出に占める構成比も14.5%から7.3%へほぼ半減です。
松戸市も平成13年度の178億円(構成比15.9%)から110億円(同8.7%)へとかなりの減額です。
念のため、外房地域の茂原市も見てみましたが、44億円(16%)から32億円(11.8%)へと、この10年で県も市町村も相当の減額です。
10年前からずっと減少傾向にあった土木費について、小泉改革の結果というのは無理があるように思います。
では、土木費が減って何が増えているのかと言うと結局民生費なのです。
この10年間の民生費の伸びは、千葉県が7.9%から14.3%へ、松戸市が25.5%から44.3%へ、茂原市が20%から31.3%へと構成比が増加しています。
いま、労務者賃金がなかなか上がりません。このことも入札不調の原因でもあります。少なくとも行政は、財政が苦しいなかであっても現場で働く人たちの賃金確保にはしっかりと予算をつけるべきだと思います。


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