病院!公立病院!かくも重たきもの(第271回)

昨日の住民投票の結果、銚子市長の失職が決定した。
病院の存続を公約に掲げて当選した市長が結果として公約を守れなかった。
政治は結果責任だと言われる。その意味ではやむを得ない結果だったと思う。
それにしても、今さらながら結果責任というものの厳しさを見せつけられたところである。
さて、市長の主張は「病院の存続は市の財政破綻をまねく」というものである。
市長は病院の存続を公約に掲げたほどであるから、おそらく存続に対して手を尽くしたのだと思う。
そして、これもあくまで私の推察なのだが、おそらく銚子市立総合病院以外にも銚子市には民間などの総合病院があったからこそ休院と言う選択をしたのだと思う。
つまり、仮に市立総合病院以外に病院がなければ、市長は市の財政がどうあろうと病院を存続させたかもしれないとも思うのである。
さて、そうしたときにどうなったか?
これは銚子市民だけではなく、公立病院をもつすべての自治体住民は真剣に考えておかねばならない重要命題である。
北海道の赤平市は恐るべき財政難に喘ぎに喘いでいるが、それは同市が市立病院の存続を決断したからである。
おそらく多分、赤平市は全国一節約につとめている市であろう。
先ごろは中古の消防自動車すら入札にかけて50万円ほどで売却した。
人口の少ない、財政力のない町が総合病院を持つことの意味を赤平市は私たちにこれ以上ないほど明瞭に示してくれている。
病院を持つということは、いずれ建て替え問題や新しい医療機器の導入が必ずある。
つまり相当のコスト負担を今後も長期間にわたって続けていくと言う覚悟が必要なのだ。
コスト負担なく公立病院を存続することは絶対にありえない。
転入者がいて負担を分かち合う住民が増えればよいが、今後の人口減少社会を考えれば望み薄である。
翻って、わが松戸市も病院の建て替え問題を抱えている。
建て替えは本当に重要な問題だ。
これを成功させるためには、市民が自分たちの病院をこうやって創り、こうやって維持していくんだと言う機運が絶対に必要だ。
そのためには、20年30年先の採算まで可能な限り現実に即したシュミレーションをして公表する。
そして、市民あげての活発な議論を繰り返す。これが絶対に欠くべからざる条件である。


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