本当に大変なところは

新聞各紙は連日のように世界地図にAインフルエンザ(豚インフルエンザを改称)の各国患者数を書き立てる。
見ていると、メキシコからアメリカ、そしてヨーロッパに飛び火して患者数は増加していく様がよく分かる。
しかし、メキシコに近い中米や南米の患者数が少なすぎるのが気になる。
本当のところは先進国よりも発展途上国のほうが深刻なのではないのか。
そういう国の政府や保健当局が患者数の補足をしていないだけではないのか。
つまり、本当に大変な国ほどインフルエンザ患者数を把握できず報道されないのではないか。
結果としてちゃんと補足している欧米各国の患者数だけがどんどん増えていく。
これは日本も例外ではない。
あの阪神淡路大震災のとき、兵庫の震度は最後まで出なかった。
大阪は4、滋賀は5、京都も5だったが兵庫は震度の表示がなかった。
あのときの関西方面のNHKの地図を見る限り、大阪の東側で震度5の地震が起ったのだなと受け止めるしかなかった。
だから、大阪のコンビニの棚から数個のビン類が落ちているのを店員が拾っている映像が流れたのだ。
そのとき、神戸ではとんでもない事態が起っていたのに。
つまり本当に大変なところほど情報は伝わらない。
インフルエンザであれ、災害であれ。
このことをわれわれは常に念頭に置いておかねばならない。


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