銚子のリコール選挙

5月17日執行の銚子市長選挙の開票結果は以下の通りであった。
(表組み)
野平まさくに 15289票 当選
岡野としあき 7969票 次点
茂木かおる 4256票
石上みつやす 3151票
松井みのる 2709票
たかせ博史 1314票
リコール前の先の市長選で敗れた野平氏が勝ち、先の市長選で勝った岡野氏が敗れ、岡野氏のリコールを推進した陣営は候補者を一本化できずに全員敗北という結果であった。
この選挙にいたる流れをもう一度振り返ってみよう。
リコール前の2006年7月23日の市長選での争点は、病院を存続させるか否かであった。
そして存続させることを公約した岡野氏が13235票で当選し、野平氏は12756票で敗れた。
その差わずか500票弱。これが3年前のことである。
つまりその時点では銚子市民の民意は病院存続だった。
ところが、岡野氏は野平氏と同様に病院の経営改革ができず、このままでは銚子市財政の方が危機に陥るということで病院休止という苦渋の決断をする。
そこでリコール運動が起り、解職賛成が20958票、反対が11590票でリコールが成立する。
つまりこの時点、すなわち2009年3月29日においても銚子市民の民意は(岡野氏の責任問題はともあれ)病院存続だということが言えると思う。
そうしてこのたびの5月17日の投票の結果が上記である。
単純化して言えば、2006年の市長選における岡野氏が獲得した13235票のうち5266票が岡野氏から逃げた。
そして半分強が野平氏、半分弱がリコール推進派に流れたという構図である。
これは一体何を意味するのかである。
リコール推進派候補4人の得票総数は、岡野氏を3461票上回ったものの野平氏には3859票下回った。
これは、病院誘致を実現できるのはリコール推進派ではなく野平氏だと銚子市民が判断したことを示しているように思える。
政治は先ずビジョンの明確さが求められる。それが今回の場合は病院誘致であった。
そしてそれ以上に、政治に求められるのがそのビジョンを実現できるか否かの実現力だということを明確に示した選挙だったように思うのである。


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