朝日新聞の夕刊2面に『追加緩和の是非議論 日銀が政策決定会合』という見出しがありました。
決して大きな扱いの記事ではありません。しかし、1面の経済記事は『日航再上場、初値3810円』ですので経済記事としては2番目の扱いです。
「欧米の中央銀行が相次いで金融緩和を打ち出したため、日銀も追加緩和に踏み切るとの観測が出ている」
「金融政策では、欧州中央銀行が南欧諸国の国債の無制限買い入れを表明したほか、米連邦準備制度理事会も量的緩和第3弾を発表」
などと書かれています。
さて、いずれにせよこうした政策はどうしても世界と歩調を合わせるしかありません。国の財政赤字がどれだけあるとか金利がどうとかいう以前に、私は日銀も金融緩和に踏み込まざるを得ないと思います。
たとえば、韓国のウォンのように瞬く間にウォン安円高に振れれば、製造業など輸出産業は手も足も出ません。コスト縮減といった乾いたタオルを絞るような努力もあっという間に水の泡です。
為替レートというのは、要するに貨幣流通量の差で決まってしまいます。欧米の貨幣流通量が日本の貨幣流通量よりも相対的に増えれば円高になります。
今、わが国はデフレだというのですから、皆が皆貨幣を持ちたがっている状態です。そのときに貨幣流通量を増やすという選択肢は当然のことと思います。
これにはもう一つの興味深い点、貨幣量が増えれば物価が上がるという貨幣数量説の社会実験との意味合いもあります。
世の中には結論の出ていない論争がいくらもあって、自然科学も社会科学もわからないことだらけです。
どういう結果が出ても、その理由はいくらでも説明できてしまうものなのですが、それはそれとしてやはり自分の感覚で、自分なりの結論は得たいものです。
日銀の金融緩和がどういう状況を生み出すのか、それに先行している欧米の経済にはどのような影響が現れるのか、ここしばらく注視してまいりたいと思います。
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