八ツ場ダムに見る民主党に欠けているもの(第313回)

八ツ場ダム中止をめぐる民主党の手法を見ていると、この党の欠陥があらわになってくる。
最大の欠陥は、地域に根ざしていないことだ。
いくら選挙が済んでしまったからといって、ここまで住民に対し徹底的に冷酷になれるだろうか。
ダムの地元住民の悲痛な声にここまで徹底して「聞く耳持たず」を貫けるのは、結局この党の本音が「地元民のことはどうでも良い」ということなのだとしか思えない。
考えてみれば、民主党の少なくない議員がいきなり選挙区を割り当てられ、いきなり当選してしまうのであるから地元のことなど考える必要もないだろう。
議員が駅頭でマイクを持つのは、知名度を高め、当選し、住民の声を議会に届けるためである。
地域で目立つことが目的であっては本末転倒だ。
ましてや民主党の議員は小選挙区の議員ですら地元での生活実態がよく分からない議員が多いのが気になる。
こうした地域とちゃんと向き合ってない体質が、八ツ場ダムの場合では全面的に出でてしまったと見るべきだろう。
第二の民主党の欠陥は議論無視である。
9月24日付の読売新聞朝刊に地元の声をとして『中止はあまりに独裁的。理論も議論もない。』というものがあった。
民主党の体質をこれほど的確に表現した言葉は無いだろう。
そもそも民主党内で、党の方針や根幹の政策をきっちり議論してしまうと党自体をまとめることが極めて困難になる。
難しい問題の議論は避けるという体質がやはり八ツ場ダムのケースで出てしまったと思われる。
しかし、党内でならいくら独裁でもかまわないが、圧倒的多数を占めた国会の中で議論なし独裁では恐怖政治以外の何ものでもない。


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