ちょっと違う消費税論議

雑誌「WEDGE」2012年6月号に『地方にはどの税を移管すべきなのか?』という磯山友幸さんの評論がありました。
その冒頭で、4月11日におこなわた党首討論の様子が紹介されています。

渡辺氏「消費税は安定財源なのだから地方にふさわしい」
野田氏「それは年金や医療、介護、子育てを全部地方に任せろと言うことですか。年金なんて、そんなことできませんよ」

この党首討論は、おそらく世界の消費税について基本的なところが理解されていないことからこういうやり取りになったのかなと思います。それは、アメリカの州単位の消費税とヨーロッパ型の消費税が同じ土俵の上で評価されているからです。
アメリカの消費税とヨーロッパのそれとはまったく異なっていて、日本の消費税はヨーロッパ型です。
アメリカの消費税は、厳密に言えば消費税ではなく小売課税なのです。小売りの段階で一回だけ課税されるのです。
それに対して、ヨーロッパ型の付加価値税や日本の消費税は仕入れから小売りの段階全てに消費税がやり取りされるのです。その税が順繰りにやり取りされて最終的に消費者が税を払うというシステムです。すべての取引が県内で終わるのなら、その県の中で課税や控除が完結しますが、日本では製造する県、仕入れする県、小売する県が全く異なることは当たり前です。
したがって、消費税はどうしても全国レベルで課税するほかないのです。
単純に安定している財源だから地方財源に、と言う観点では決められないということを渡辺喜美さんは理解していないということがわかってしまいました。また野田総理も多分わかっていないのでしょうね。


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