不正経理調査特別委員会の終焉(第356回)

3月29日、不正経理調査特別委員会が実質的に幕を閉じた。
昨年10月22日に設置されてから約160日間、審査回数は参考人意見聴取を含め15回を数えた。
また、私はこの特別委員会以外でも閉会中の21年9月18日には全員協議会、12月議会の12月7日には一般質問、2月議会の3月8日には予算委員会と三度不正経理問題の質問に立った。
それでも果たして審議は尽くせたのだろうかという不安が残っている。
3月31日に特別委員会の調査報告が議長に提出されるが、その報告書にも明記されている通り、まず第一に審議未了となっている事項がある。
ひとつは警察本部における詳細な調査と職員処分の結果であり、もうひとつは公社等外郭団体の調査結果である。
これらは特別委員会の調査期間が3月末日までとなっていることから審議ができなかった項目である。
また、特別委員会の審査過程で、私が主張はしたものの実際に不正防止にならない可能性のある対処策も散見される。
たとえば、内部通報制度のなかに外部調査員を組み込むことは実現したが、内部窓口も外部調査員も事務局が同一という欠陥もある。
これで果たして内部通報制度が機能するのかどうか。
約160日の審査を通しても、正直なところまだ遣り残し感がある。
その最大の原因は、今回の不正経理が予算書を見ても決算書を見ても、およそ議会に提出されるすべての書類を見ても見破ることができない類の事件だったことである。
本来は、監査委員が発見すべきなのだろうが、それができなかった。われわれ議会が受け取る決算書の監査委員意見は『概ね適正』というものだった。
不正経理は、監査委員が機能しないと解決にはならない。
ところが事務局があるとはいえ、たった4人の監査委員である。
監査対象は本庁ばかりではない。出先機関も膨大にある。
教育委員会だけみても県内各地に教育事務所があり、さらに県内に多数の高等学校などがある。
監査委員がどれほど努力しても出先機関側から見れば10年に一度の監査になりかねない。
むしろ監査に当たったら運が悪かったと言うものであろう。
そこで現実的には内部通報制度など各種防止策の組み合わせでの対処となる。
こうした限界をかかえたなかでの特別委員会の終焉だ。やり残し感はやむをえないものかもしれない。
しかし、実現したものも実現しなかったものあるが、ともかくも現時点で考えられうる防止策はすべて提案した。
微力ながら、今後も不正経理は起こりうるものという観点から行政を監視していきたい。


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