仮説「理想的自治体サイズ」(第382回)

県議会選挙が近づくと議員定数が問題となる。
なんでも定数2の銚子市選挙区よりも人口の多い定数1選挙区が合併などで誕生したのだという。
このような逆転現象は結構いろいろな分野にある。
たとえば自治体の人口。
市である横浜市よりも人口の少ない県はあまりにも多い。
むしろ横浜市よりも人口の多い県を探した方が早い。
東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、北海道、兵庫、福岡、静岡の10都道府県のみだ。
千葉市よりも人口少ない県も7県ある。
一番面積の広い市は岐阜県高山市だが、大阪府、香川県は高山市よりも狭い。
滋賀県は47都道府県中38位だが琵琶湖を除くともしかしたら・・・と思う。
さて、公明党千葉県本部「地方分権・議会改革プロジェクトチーム」(二田口雄市原市議リーダー)がこのほど面白い研究成果を発表した。
それは議会改革についての千葉県内全市町村アンケート調査である。
この調査によると、
「議会改革を推進するための組織が設けられていますか?」
「本会議での質問に、一問一答方式を採用していますか?」
「代表質問は、毎回の議会で行なわれていますか?」
「予算委員会(特別委員会方式を含む)は、設けられていますか?」
「議員立法に取組むための、議会事務局体制は整えられていますか?」
といった設問に対して20万人以上の市よりも10万以上から20万人未満の市のほうがいずれも積極的なのである。
しかも「議会基本条例」や「自治基本条例」を制定していたのも人口10万人以上20万人未満の市だった。
自治体の人口は少なすぎても多すぎてもダメというのはあくまで直感的に理解できることなのだが、今回の調査によって自治体は人口15万人前後が最も住民自治に適しているのかもしれないという仮説が成り立ちそうなのである。
住民自治の理想は議会も活発な議論をする、そして住民の側も積極的に市政にコミットするという姿であろう。
こうした点がすすんでいるかどうか、人口規模で自治体を見るようにしたいと思う。
そして、今後の「地方分権・議会改革プロジェクトチーム」の活躍に大いに期待したい。


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