日別アーカイブ: 2008年6月18日

風が吹けば桶屋が儲かるか?(第214回)

原油高が止まらない。
ガソリンも値上げ一方である。
報道によれば、この原油高の最大の原因はファンドによる投機だという。
それに対して、あるコメンテイターは「ファンド」イコール「悪」という立場から投機批判をする。
これには少し違和感を感じる。
ファンドの存在意義は稼ぐことである。稼ぐのが使命である。
そしてそのファンドの原資は何か?
おそらくわが国を含む世界各国の年金積立金であり、わが国を含む退職金積立金であり、わが国を含む金融機関に預けてあるところの預貯金であろう。
われわれは結果的にファンドにはどんどん稼いでほしいという行動を取りながら、その行動によって引き起こされた事態をけしからんと憤っている構図がここにありはしないか?
これが国内問題であれば「ファンドは食糧とエネルギー分野で稼いではならない」と言えるのだろうが、国際金融の問題であれば合意を得ることは不可能だろう。
そして好むと好まざるとに関わらず、われわれすべての国民が、その悪徳?ファンドとやらに何らかの形で何処かで必ずつながっているのに違いない。
まったくもって66億人の世の中はあまりにも複雑になりすぎてしまったのだ。