5月10日の産経新聞に、東京都が大規模事業所に二酸化炭素の排出削減を義務付け、違反した事業者に罰金を課すという条例改正案を提出すると報じられた。
この改正案は単純なものではなく、以下の施策が盛り込まれている。
?二酸化炭素削減に必要な設備投資には補助金を出す。?これまでの削減実績も考慮する。?削減対策計画と削減状況報告書を出させる。?削減不足の事業所には義務付け以上に削減した事業者から排出枠を購入させる。?事業所が都に従わなかった場合は罰金を課す。
この施策で非常に気になるのは、業種によって有利不利は生じないのか?という点である。
どうしても二酸化炭素を多く出してしまう業種もあれば、そうでない業種もあるだろう。つまりは業種ごとに削減量を決めねばならなくなる。
すると必然的に、業種によって排出枠を購入する金額が異ならなければおかしいことになる。
売る方はなるべく高く買ってくれる業種に売りたい。こういう問題をどうクリアするのであろうか?
さすがに「?」でこれまでの実績を考慮するとして、京都議定書での矛盾点を修正しているように見えるが、実際には公平性確保はきわめて困難だろう。
もっともこのことによって優良企業が千葉に来てくれるのなら悪くはない施策だ。
5月14日の朝日新聞に、各家庭が太陽光により発電したことを証明する「グリーン電力証書」を発行してもらい、それを企業が買えば、石油や石炭で発電した電気を使っても自然エネルギーの電気を使ったとみなしてもらえる制度を導入するとの経済産業省の方針が報じられた。
お金を出せば、実際には石油や石炭で発電した電気も自然エネルギーでつくった電気だと思ってあげようというのである。
「おままごと」では、その辺の葉っぱを取ってきてもそれをおかずだとするのがお約束である。そんな遊びを思い起こす。
さて、このように回りくどい施策を打ち出す理由は何か?
事業の目的は明確である。その目的に合致した施策ではなぜいけないか?
こういうときは何かほかに意図があるのではないかと疑ってしまうのは私だけだろうか?
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