「誇りを持てる」が最低限の条件

千葉市が千葉港の海上交通ニーズを調査するために特別クルーズを出すというので、早速乗せてもらうことにしました。
さぞや大勢の人が参加するかと思いきや、集まった人は20人ほどでした。
千葉港と蘇我港を結ぶルートで、料金は片道500円。往復だと900円になります。
この料金が高いのか安いのかわかりませんが、普通の感覚ではやや高いような気がします。
外洋のフェリーと違い、イルカなどが現れたりはしませんので、もっぱら目を楽しませてくれるのはカモメです。
そこで、せめてカモメのえさを一人一袋渡すくらいのサービスはあってよいかと思いました。
千葉港を出た船は、右手にポートタワー、左手に倉庫を見て進みます。やがてJFEスチール東日本製鉄所の装置群が見えてきます。
この製鉄所と停泊している20万トン級の船舶は見どころと言えるかもしれません。
しかし、大阪港のような巨大な橋りょうをくぐっていくとか、東京湾のように様々な船舶がどんどん行き来するという何かしらのイベントがないとリピーターは生まれそうにありません。
当たり前のことですが、『観光施設』というのは地元の人たちが「それ」があることを誇りに思うレベルにないとなかなか成功しません。
さらに言うと、たとえ「それ」に誇りを持っていたとしても、コストがかかりすぎると、やはり存続が難しくなってしまうのです。
たとえばモノレール。
特に千葉のモノレールは気持ちの良い乗り心地です。しかし、これを存続させるのにはかなりのコストを覚悟しなければなりません。
今回の水上バスを観光に活用するには、何か千葉市民が誇りを持てるものを水上から見せるとか、そういう工夫が必要に思えました。
船自体をグレードアップさせることが無理ならば、結局何を見せるか、なのでしょう。


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