自治体の黒字とは?

20160321日経 (640x360)20160321千葉日報 (360x640)今朝の日経新聞は『「赤字」自治体ゼロ』と報じました。
これは誤報ではありませんが、誤解を与える見出しであることは確かです。
今朝の千葉日報が『累積赤字圧縮も依然568億円』と県外郭団体の赤字決算を報じていたのが対照的でした。
日経記事を正確に読むと以下の2つがポイントです。
1、『国からの財政支援である地方交付税などを含めても赤字決算の自治体の数は07年度の24から徐々に減って
2、『歳出を歳入でまかなえない「実質赤字」の(自治体)が2014年度決算で2年ぶりにゼロになった
ここで分かるのは、あくまで国からの地方交付税があって黒字ということです。
私の手元には13年度の数字しかありませんが、千葉県の地方交付税は1670億円で、歳入全体の10.2%を占めています。
歳入歳出の差引は269億円ですから、地方交付税がなければ約1401億円の赤字です。
なるほど、地方交付税があるから黒字か、と言うとそうではありません。
なぜなら、千葉県は1848億円の臨時財政対策債という債券を発行して借金をしているからです。
臨時財政対策債とは、本来、国が地方交付税として県に渡さねばならない財源なのですが、千葉県が国の代わりに借金しているのです。
つまり、国からの地方交付税1670億円-歳入歳出差引額269億円為=1401億円の黒字ではなく、その実態はさらに1848億円を差し引いた約447億円の赤字なのです。
このカラクリを知らないと、財政を誤ってしまいます。ですから、たとえ(誤報ではない)新聞記事といえども要注意なのです。


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