教育に厳し過ぎる財政制度等審議会(第212回)

6月3日、財政制度等審議会は「平成21年度予算編成の基本的考え方について」という意見書を財務大臣に提出した。
私はかねてより『命と未来の格差は無くしたい』 、すなわち医療と教育は日本列島のどこに住んでいても格差の無いようにすべきと主張しているので、同審議会の意見書には賛同しかねている。
理由は、同審議会の教育分野についての厳しい見方である。
案の定、今回の「予算編成の基本的考え」を読むとこう書かれている。
『我が国の児童等一人当たりの教育支出は、主要先進国と遜色はなく、教育予算対GDP比のOECD平均を目指すことに意味はない。義務教育費国庫負担の見直し、国立大学法人運営費交付金・私学助成の削減、奨学金事業の見直しが必要。』
まことに厳しい。『GDP比のOECD平均を目指すこと意味はない。』とまで言うのである。
これまでも、たとえば『義務教育に係る教職員定数の削減目標の達成、教員給与の優遇分の見直し、国立大学法人運営費交付金・私学助成の削減、奨学金事業の回収強化・上限金利の見直しが必要。』
あるいは『教員給与の効率化、学校の統廃合の推進等による義務教育にかかるコストの縮減、国立大学のあり方、運営費交付金の配分ルールについての見直し等を進めいていく必要。』
まことに厳しい。
財政という切り口のみの答申であり、ここには憲法にうたわれた「教育の機会均等」という理念が感じられない。
ましてや、わが国の教員はデータでの比較で少なくないとしているが、OECD諸国の教員はわが国の教員のようにほとんど生徒や児童の私生活まで関わってはいないだろう。
ドイツで教鞭をとっていた方が、ドイツでは職員会議は年に数回だといっていたのを聞いたことがある。
他国のとの比較は単純に数字だけでよいのか、検証の必要があると思う。
なるほど教育の水準イコール予算額ではないとは思う。しかし、あまりにも教育に厳しすぎやしないか。


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