今日の千葉日報に『給与削減に反発 全国知事会』と言う記事がありました。
全国知事会の会議の冒頭に総務相が「消費増税の前に公務員が(身を切る)姿勢を示すべきだ」と給与削減を求めたと言います。
それに対し、各知事から「地方は国よりも行革を進めている」「給与カットで浮いた財源の使い道を示すべきだ」「国と地方が時間をかけて議論すべきだ」という反論が出たという記事です。
私は、少なくとも総務相の要請には残念ながら理屈がないと言わざるを得ません。
それは地方公務員の給与を下げることに賛成や反対をする以前の問題です。誰が考えても、国が対処しなければならない何かが起こったときに地方公務員の給与をカットしろというのは越権行為でしょう。
たとえば、千葉県内には液状化の被害で苦しんでいる人がいますが、だからと言って「総務省職員の給与を下げるべきだ」とは言いません。アクアラインの料金値下げはある意味で千葉県としては死活問題ですが、その財源ねん出のために「総務省職員の給与を下げるべきだ」とは(たとえ知事であっても)普通は言いません。
民主党政権時に、松本復興相が「知恵を出さない奴には金は出さないからな」と言い放ったり、知事に向かってサッカーボールを蹴ったりしたことをふと思い出してしまいました。
言うまでもなく、国と地方の関係は対等なのですから、そういうことは言うものではありませんし、やるものではありません。
もし、総務相が自分の主張に大義があり、やはり地方公務員の給与をカットすべきだと考えているのなら話は簡単です。
法律をつくればよいのです。法律は国会のみつくれますので、法律を持って地方を従わせればよいのです。それが法治国家と言うものでしょう。政権が変わったからには変な技術的アドバイスは慎むべきです。
それにしてもこの発言が(財務相ではなく)総務相だったことについては、私には少々サプライズでした。
総務相が地方分権推進派でないとなると、いったい誰が地方自治を守ってくれるのでしょうか。嫌でも地方の時代は一体いつになるのだろうと心細くなるのです。
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