5年後ないし10年後のわが国を見通したとき、表題のテーマが最大の議論になっているのではないだろうか?小泉内閣が骨太の方針で堅持してきた2200億円の医療削減目標は、あまりに厳しすぎるという声のもとに過去のものとなった。
目標が高すぎると方針を永続させることができないという良き教訓にしなければならない。
2200億円の削減が挫折したからといって、医療費を未来永劫に削減しなくて良いということにはならない。
そもそも医療費は年金と異なり抑制装置がない。
そのうえ年金なら物価や経済成長率や人口などといった分かりやすい指標で抑制策を講じられるが、医療費は医療技術の進歩や治療法、新薬の発見など様々な要因で増加する。
つまり年金のようなうまい指標が見出せないのだ。
指標にビルト・インできない抑制がそもそも民主主義の国で可能なのか?根源的な疑問もある。
5年後10年後のわが国に少なくとも高度成長は考えられない。
低成長か悪くするとマイナス成長の経済の中で、どうしても医療費を削減しなければならない状況に追い込まれている可能性が高い。
今は年金問題にスポットライトが当たっているが、生活という観点だけで見ればすでに生活保護というセーフティネットが存在する。
医療費の支出が年金の支出を上回る日が刻一刻と迫っている。
われわれは一体いつの時点で医療費問題の本格的な議論に入れるのだろうか?
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