大川小学校と地質履歴

津波に限らないことなのでしょうが、災害に対する知識というのは安全・安心に大きくかかわってきます。
3・11のような痛ましい悲劇を絶対に繰り返さないために、後世に語りつながねばならないことを明確にしておかねばと思います。
追波湾の河口から追波川(北上川)を4.5キロメートルさかのぼった大川小学校のこともつらいことですがその中の一つだと思います。
3・11以降、津波堆積物から過去の巨大津波を解明しようという動きが活発化しました。
もちろん産総研や北大等でかねてより調査されていて、私も北海道の津波痕跡について何年も前にレクチャーを受けたことがありました。
千葉県でもそうした調査を民間の立場で地道になさっている古山先生のような方もいらっしゃいます。
こうした調査が目に見えて脚光を浴びてきたことは、本当に喜ばしいことだと感じています。
さて先日、平川一臣先生(北海道大学名誉教授)からレクチャーを受けました。先生は津波痕跡の分野の第一人者です。
その平川先生のお話の中で、大川小学校の場所は繰り返し津波を受けてきた場所で、過去は湿地帯だったという指摘があり、これは重大な事実だと思いました。
つまり、今現在の地形を見て、ここは河口から何キロ離れているから大丈夫という見方をするのではなく、ここは過去は(大昔は)どういう場所だったのか、それが人為的か自然にかわかりませんが、この地質履歴を関係者が知っているかどうかが生死を分ける可能性があるということです。
現代は社会のスピードがあまりにも早く、数十年前の土地の姿すらわからなくなっているのが普通です。
土地改変のスピードや転出転入のめまぐるしさで、今の土地の姿がずっと続いてきたかのような錯覚に陥ってしまいがちです。
その意味からも地形の履歴を知る、これが地震や津波災害に対処する第一歩なのだと思いました。


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